最終更新時刻:2008年10月15日(水) 22時04分

紙に書いて「デジタルデータ」になるアイテム--お気に入りガジェットバトン第15回 塩田紳二氏

塩田紳二

2007/04/28 00:16  

スイスアーミーナイフよりもカッターナイフ

io2(写真奥)とSU-1B(同手前)。どちらもANOTO技術で同じノートが利用できる。ただし、PC側のソフトウェアが違い、PC上でのデータ形式は違っている io2(写真奥)とSU-1B(同手前)。どちらもANOTO技術で同じノートが利用できる。ただし、PC側のソフトウェアが違い、PC上でのデータ形式は違っている

 筆者のこれまでの乏しい経験の中から学んだことの1つに、何かの作業に道具を使うとき、専用のものを使ったほうが効率がいいということがある。ナイフだ缶切りだといろいろついたスイスアーミーナイフは、1つで済むという点では、便利なんだが、たとえば、工作なんかに使うなら、100円ショップでも売っているカッターナイフのほうが具合が良い。べつに万能ナイフがダメだといっているわけではなくて、仕事などでちゃんとした作業が必要なら、何にでも使える万能道具よりも、専用の道具のほうがいいってことである。筆者も、万能ナイフの類は、スーツケースなどに入れてあって、海外で買い物したあと、タグを外すなんてちょっとした作業には使っている。

 で、今回何を紹介しようとしているのかというと、米国Logitech社のio2 Digital Penである(io2なのは2世代目だから)。これは、簡単にいえば、専用ノートと専用ペンの組合せで、筆跡をデジタルデータとして記録するもの。用途としては、単にメモを取るだけである。書いたあとで、PC上の専用ソフトでペンからデータ読み出せば、メモがPC上にデジタルデータとして保存される。

 できるのはただそれだけである、英語ならば、文字認識の機能はあるが、国内販売していない製品(もちろん並行輸入ものなどはあるが)なので、日本語には対応していない。

もうノートのことは忘れてもいい

 なんで、これを使って便利なのかというと、まず、ノートといった物理的存在をもはや管理しなくて済むこと。極端なことをいえば、ペンのデータを吸い上げたら、ノート自体はなくなってしまってもかまわない。また、何冊も前のノートだろうとも、すべてPCに入っているのですぐに参照が可能だ。また、書いたメモは、デジタルデータになっているので、原稿に使う図版の下書きなんかにも流用がきく。

io2 softwareは英語や図形の認識が可能。ウィンドウ左側の手書きメモを認識したものが右側のもの。図と文字が割と認識されている io2 softwareは英語や図形の認識が可能。ウィンドウ左側の手書きメモを認識したものが右側のもの。図と文字が割と認識されている

 実際には、筆跡を構成するストロークには、絶対時間(何年何月何日の何時何分何秒)が記録されており、このメモをいつ取ったのかもちゃんとわかる。日付を記録しないでも、メモを書いた日時が分かるというのは便利である。あとからOutlookなどの予定とつきあわせれば、どの取材で書いたメモなのかも簡単に判定可能だ。

専用ノートは、各頁を区別でき、あとから追記しても、PC上の該当ページデータに追加される 専用ノートは、各頁を区別でき、あとから追記しても、PC上の該当ページデータに追加される

 このio2 Digital Penは、いわゆるANOTO技術と呼ばれるもので、専用のノートを使う。このノート上には、細かい点が打ってあり、その点をペン先にあるカメラが認識し、座標やノートのページ、ノートの種類などを判定する。点は、格子位置からずれていて、そのズレの組合せで上記のような情報が記録してある。これをペン先にあるカメラで認識しているわけだ。

 同じ技術を使うものに、NOKIA社の携帯電話用のオプションであるSU-1Bがある。こっちも、携帯電話に簡単に図などを転送でき、メールに付けて送ることができる。これも持っているが、携帯電話のメールで他人にちょっとややこしいことを説明するときなんかに便利だ。

ノートの表面には、このように細かい点がならんでいる。これをペン先にあるカメラで認識し、そこから座標やノートの種類、ページ数などを取得する ノートの表面には、このように細かい点がならんでいる。これをペン先にあるカメラで認識し、そこから座標やノートの種類、ページ数などを取得する

 ノートPCは、いろいろな用途に使えるものの、ことメモを取るといったときに、テキスト以外を扱おうとすると、ちょっとした困難に突き当たる。タブレットPCでペン入力は可能になるものの、キーボードとペンを行ったり来たりしなければならないし、つるつるすべる液晶の上だと、小さい字がかけなくて、メモとしてのまとまりがなくなってしまう。いくら、PCが進歩したとはいえ、まだまだ、紙のノートとペンといった専用の道具にやはりかなわないところ。また、ノートとペンだけなので1kgどころか500gもないし、ペンは普通に週に1〜2回メモを取る程度なら、2〜3カ月以上は充電しないで動作する。充電は、PCへの転送時にUSB経由で自動的に行われる。こうした軽さやメンテナンスフリーに近い使い勝手は、まだまだPCが実現できていない部分。

塩田紳二氏プロフィール

フリーランスのテクニカルライター。雑誌編集者、家電メーカー勤務を経て現職。本人にはそのつもりはないのだが、ガジェット好きだと人からは思われている。本文に書いたような理由で、カバンの中にいろいろと機器が入っているからだと思うのだが。


【使用製品】

型番:Logitech io2 Digital Pen

・購入時期 2004年9月 io2 Digital Pen
2003年1月 io Digital Pen
【お気に入り度合い】

常にカバンの中に入ってます


【次回執筆者】

山田祥平さん


【次回の執筆者にひとこと】

PC関連のライター業界で「長老」と呼ばれる山田さん。当然、パソコンや関連のハードウェアなんかとのつき合いも長い。そんな山田さんがどんなものを紹介するのかが楽しみです。

【バトンRoundUp】

START第1回:澤村 信氏(カナ入力派の必須アイテムとは?) →第2回:朽木 海氏(ウォークマンとケータイをまとめてくれる救世主とは?) →第3回:大和 哲氏(ケータイマニアのためのフルキーボードとは) 第4回:西川善司(トライゼット)氏(飛行機の友、安眠の友、ノイズキャンセリングヘッドフォン) →第5回:平澤 寿康氏(出張に欠かせない超小型無線LANルータ) →第6回:石井英男氏(いつでもどこでもインターネット接続が可能なPHS通信アダプタ) →第7回:大島 篤氏(電卓とデジタル時計の秘密) →第8回:荻窪 圭氏(自転車とGPSがあればどこにでもいけます) →第9回:田中裕子(Yuko Tanaka)氏(これでクラシックもOK!究極のカナル型イヤフォン) →第10回:佐橋慶信氏(ビジュアル・ブックマークの実践方法とは?) →第11回:清水隆夫氏(プロ御用達の業務用GPSデジタルカメラ) →第12回:高橋隆雄氏(傭兵たるものガジェットなど持たぬ!) →第13回:野本響子氏(「壊れても買い続けたい」理想のロボット) →第14回:本田雅一氏(本田雅一氏の求める条件にピッタリはまる「あのデジカメ」)

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